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契約がなくても相手方に責任を問うことができるか 〜契約がなくても相手方に責任を問うことができるのか?
プロフェッショナルとは、「特定のことを簡単そうにできる人」だと言った人がいます。
これは、言い得て妙で、イチロウ選手も軽々と狙った所にヒットを飛ばします。もちろん、最初から簡単にできた訳ではなく、常に研究とトレーニングを重ねることで、ファンを楽しませてくれます。
BAMCのコンセプトは“Professinal and More”ですが、この“More”の部分が“Professinal”であり続ける為に必要なんですね。
さて、常に“More”を目指す経営者の方は、逆に失敗した経験もあるはず。
その中で「あの時契約書にしておけば」と泣き寝入りしていることは、ありませんか。
もしかしたら、その責任、相手方に請求することができるかもしれません。
契約がなくても相手方に責任を問うことができるか〜契約がなくても相手方に責任を問うことができるのか?
弁護士の緒方義行です。
今回は、「契約がなくても相手方に責任を問うことができるのか?」です。
契約の交渉をしていたところ、契約書の調印の間近になって相手方から契約書への調印を拒否された場合に、契約できなくて残念だったというだけでなく、契約できなかったことによって様々な損害が発生することがあります。この損害の賠償を相手方に請求できないだろうか?・・・という問題です。
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「契約締結上の過失」
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法律のどこかに明確な条文があるわけではないのですが、民法などの法律書で必ずといっていいほど触れられている法理論として、「契約締結上の過失」というのがあります。
この「契約締結上の過失」という理論は、契約締結途中の段階、あるいは契約締結前の準備段階であっても、契約締結を目指す当事者の一方の過失によって相手方に損害を与えた場合には、一方当事者がその損害を賠償する義務を負うという理論です。
ドイツの学説・判例の影響を受けて我が国でも議論されていましたが、我が国の学説・判例でも、少なくとも、当事者の一方の過失によって契約締結に至らなかった場合に損害賠償責任を負うべき場合があることは認められています。
法律上の根拠としては、信義誠実の原則(民法1条2項)という一般的な条項があげられています。法的性質については、契約貴任だという見解、不法行為責任だという見解、その中間的な責任だという見解に分かれています。損害賠償の範囲についても、色々な見解があります。
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契約の準備段階における信義則上の注意義務違反を認めた具体例
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ここでは、1件だけ判例を紹介します。
事案は、マンションの売主が、買受希望者の希望で設計変更をしたのに売買が不成立になったため、買受希望者に対し契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由として損害賠償を請求したというものです。
判決(東京地方裁判所)は、「取引を開始し契約準備段階に入ったものは、一般市民間における関係とは異り、信義則の支配する緊密な関係にたつのであるから、のちに契約が締結されたか否かを問わず、相互に相手方の人格、財産を害しない信義則上の義務を負うものというべきで、これに違反して相手方に損害を及ぼしたときは、契約締結に至らない場合でも契約責任としての損害賠償義務を認めるのが相当である。」として、買受希望者の責任を認めました。
そして、控訴審(東京高等裁判所)も、契約準備段階に入ったものには信義則上の注意義務があるとし、「契約締結に至らない場合でも、当該契約の実現を目的とする右準備行為当事者間にすでに生じている契約類似の信頼関係に基づく信義則上の責任として、相手方が該契約が有効に成立するものと信じたことによって被った損害(信頼利益)の損害賠償義務を認めるのが相当である。」として、買受希望者の責任を認めました。
ただし、地裁・高裁ともに、売主にも過失ありとして5割の過失相殺をしました。
そして、これらの判断は、最高裁判所(昭和59年9月18日判決)でも認められました。
(弁護士 緒方 義行)
URL http://www.fuso-godo.jp/



