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抵当権に基づく賃料の取り立てと相殺等
「取立て」なんだか嫌な言葉です。
「抵当権」これがあるから悪いのか。
お金がうまく回っているときには、賃料の支払も、資金の取立ても、抵当権の設定も、みんな当然のことであったり、一応形式上、だったりするのですがお金の回りが悪くなると、だんだん人間性が見えてくるものです。
人間関係が殺伐とした環境には、人間は長くはいられませんね。
さて、今回はお金の回りが悪くなった、悪者(?)=賃借物件を担保にお金を借りた人の場合です。
抵当権に基づく賃料の取り立てと相殺等
弁護士の緒方義行です。
今回は、抵当権に基づく賃料の取り立てに焦点を当ててみます。
つまり、大きく分けて、「抵当権者は賃料を取り立てることができるか」と「抵当権者から賃料を請求された賃借人はこれにどのように対応するか」です。
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抵当権に基づく賃料の取り立て
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抵当権というのは不動産に設定されるおなじみの担保権です。
借金の返済が滞るなど債務不履行があると、抵当権が実行されて不動産は競売されてしまいます。
しかし、抵当不動産の売却が困難なことがあります。
不動産の売却が困難なときは、抵当権者としては、売却代金から債権の回収を図るよりも不動産の収益から債権を回収した方が有利なこともあります。
そこで、債務不履行があったときは、競売を実行しなくても、抵当権者は賃料等の不動産収益から債権を回収できるとされています。
これには2つの方法があります。
(1)担保不動産収益執行
抵当不動産を差し押さえて、裁判所が選任した管理人が抵当不動産を管理して賃料を取り立てるやり方。
(2)物上代位権の行使
抵当権者が賃料債権を差し押さえて取り立てるやり方。
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賃借人は、賃貸借契約の存続中に、敷金返還請求権をもって相殺を主張できるか。
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賃借人は、通常、賃貸借契約をする際に敷金を差し入れています。
この敷金がきちんと返ってくるかどうかは、賃借人にとって大きな関心事です。
しかし、敷金返還請求権は、賃貸借が終了して建物を明け渡す時に発生するものと考えられていますので、それまでは相殺を主張することはできません。
また、抵当権設定登記より後に賃貸借契約を締結した場合には、抵当権者に対抗することはできないと考えられています。
(1)最高裁 平成13年3月13日判決
抵当権者が物上代位権行権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできない。
(2)東京地裁 平成16年3月25日判決
抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権としてする賃料債権との相殺については、当該相殺の意思表示が抵当権者による物上代位に基づく賃料債権の差押え以前にされていた場合であっても、当該差押命令送達後に支払期日が到来する賃料債務につき当該相殺をもって抵当権者に対抗することはできない。
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賃借人は、賃貸借契約の終了後に、滞納賃料の敷金充当を主張できるか。
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それでは、賃貸借が終了して建物を明け渡す時に、滞納賃料を敷金に充当するという主張はできないでしょうか。
これを肯定して、滞納賃料は敷金に充当されて当然に消滅するとした最高裁の判例があります。
参考判例 最高裁 平成14年3月28日判決
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において、当該賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたときは、賃料債権は、敷金の充当によりその限度で消滅する。
(弁護士 緒方 義行)
URL http://www.fuso-godo.jp/



