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中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言(4)ー財務諸表監査
冬将軍の到来間近です。インフルエンザもやってきました。皆さん、お元気でお過ごしでしょうか?公認会計士の富田です。
| 財務諸表監査の目的は、 | ||
| ○ | 会社の適正な財務報告を会社と公認会計士等とが協力し合って行うことであって | |
| ○ | 会社の不正を摘発することではない。 | |
| と、前回申し上げました。 | ||
しかし、財務諸表監査が何たるかをほとんど知らない方でも、「監査」という言葉を聞かれれば、「不正摘発」の4文字は必ず脳裏に浮かぶのが普通でしょう。このように、一般の方々の目から見て「監査」に期待される役割と、実際に法律上「監査」に予定されている役割との間に大きな隔たりがあることを「エクスペクテーション・ギャップ」と呼んで従来から、学者や業界の専門家の間で議論の対象となってきました。
協力し合いながらもクライアントである会社に対して常に何らかの問題点が財務諸表に潜んでいるのではないであろうかとの疑念を抱きながら監査を行う公認会計士等の気構えを「精神的独立性」と呼ぶとご説明しました。では、このように「精神的独立性」を保ち、通常実施すべき監査手続を踏んで監査していさえすれば、数値の間違いや大きな財務上の「不正」を見逃したとしても、公認会計士や監査法人の責任は問われないのでしょうか?
この点に関して、かつては法律上明確に責任を問う規定がなかったため、よほどのことがない限り公認会計士、監査法人が責任を問われるということはありませんでした。
ところが、バブル崩壊による某有名証券会社の破綻など、監査法人が重要な粉飾等を見逃していたことが明らかになって以降、このギャップに対する世間の怒りが爆発したということができます。つまり、監査法人、公認会計士が損害賠償責任に問われる自体が頻発するようになったのです。これを境に会社と協力し合って実施される「性善説」を前提とする「監査」から、不正摘発にも軸足を置く「性悪説」を前提とする「監査」へと大きく舵を取られたということができるでしょう。
社会のニーズに応じて「監査制度」もどんどんと衣替えされていく昨今ですが、次第に企業及び我々会計士業界にとってより厳しいものになりつつあることは間違いありません。より厳しいルールが必要とされる背景を考えると、やはりそれだけ問題が多く発生している証左であり、ある意味で良くない状況が深刻化しているように思えてなりません。
来週、インフルエンザの予防接種を受けてきます。皆さんも、年末に向けお忙しい中、どうぞご自愛下さい。
富田でした。



