HOME >> 経営に生かせる人事・労務・法律の知識 >> 「中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言」ー「監査ってなに?」
「中年会計士の、ちょっとだけ聞いて欲しい独り言」ー「監査ってなに?」
皆さん、お元気でご活躍のことと思います。公認会計士の富田です。
今回の「独り言」は、「監査」ってそもそも何ですか?
前回に引続きこの素朴な問いにお答えしたいと思います。
現在行われている監査は米国が起こりで、会社が受動的に「受ける」ものではなくて能動的に「願い出て」行われるものであることをこの前ご説明しました。
この点がとても大切なポイントですので、監査の目的との関連でご説明したいと思います。
米国で監査が始まった当初の目的は、
- (1) 会計のプロ(公認会計士)に依頼して、会社の財務状況が示されている決算書に大きな誤りがないことのお墨付きをもらう
- (2) お墨付きの決算書で、投資によって資金をより有利に運用したいと考えている人たちに会社の現状、将来への期待を理解してもらい、お金を出してもらえるようにする
- (3) 既に株主となっている人に対しては、今後、その会社への投資を継続するかどうかを判断する材料を提供する
- といったもので、これらの目的は現行の監査制度でも根幹をなすものであることは変わりはありません。
こういった目的の下、私ども公認会計士や公認会計士で組織される監査法人(以下、「公認会計士等」)は、監査する対象となる会社(被監査会社)と監査契約を結び監査業務を行います。
この監査契約は法律上は「請負契約」となっていて、まさに会社から「監査業務」を「依頼」されて行うという形になっています。つまり、会社がより正しい決算書を開示できるよう公認会計士等に監査を依頼し、会社もそのために公認会計士等の助言等を受けて、投資家にとって望ましい決算内容の開示が行われるよう協力し合うことが前提となっているのです。
監査が「受ける」ものであって、しょうがなくやってもらうものと会社が考えているとしますと、「これはだめ」「あれはおかしい」と会社の決算内容について文句を言う相手に、お金を払って雇っているとの考えに陥ってしまうでしょう。
加えて、今でも一般の方々から見ると、監査する立場にある公認会計士等が監査の対象となる会社からお金をもらって業務を行っているという図式はとてもわかりにくく、大いなる矛盾を含んだ制度だと思われるきらいがあります。
これも、監査を「受ける」ものと誤解して理解されている弊害かもしれません。
ところで、制度の趣旨とは裏腹に、会社と監査法人が粉飾のために協力関係を築いてしまった○○ボウの事件や○○ブドアの事件に触れながら、私ども公認会計士等がとてもナイーブな立場にあることお話ししたいと思います。
公認会計士の富田昌樹でした。



